芥川賞、群像、新潮、すばる、文藝、文學界等の新人賞受賞作の読書感想

読書感想

『猿を焼く』東山彰良(著) 読書感想

『猿を焼く』 東山彰良(著)  (『群像』2020年1月号に掲載) 中学3年生だった「ぼく」は、突然農業をやりたいと言い出した両親について九州の田舎町にやってきた。閉鎖的な社会の中で孤立していった「ぼく」は、ひとりの少女 …

『的になった七未』今村夏子(著) 読書感想

『的になった七未』 今村夏子(著)  (2020年1月号に掲載) 今村夏子さんが描く主人公は、いつもどこか孤独を抱えていて哀しい、それでいて純真無垢であるという少女のイメージがあります。 本作も、そういう少女が登場します …

『ぬいぐるみとしゃべるひとはやさしい』大前粟生(著) 読書感想

『ぬいぐるみとしゃべるひとはやさしい』 大前粟生(著)  (『文藝』2019年冬号に掲載) 優しすぎて日常生活の些細な出来事の中で傷ついてしまう、大学生の七森と麦戸ちゃんの物語。 七森と麦戸ちゃんは、性別は違えどよく似て …

『改良』遠野遥(著)第56回文藝賞受賞作品 読書感想

第56回文藝賞受賞作品 『改良』 遠野遥(著) (『文藝』2019年冬号に掲載)   今回の文藝賞は二作品が選ばれており、もう一作は宇佐見りんさんの『かか』です。 興味深いのは、二作品共に、暴力としての「男性像 …

『かか』宇佐見りん(著) 第56回文藝賞受賞作品 読書感想

第56回文藝賞受賞作品 『かか』 宇佐見りん(著)  (『文藝』2019年冬号に掲載)   父親が浮気して家を出た後に精神を病んでしまった母親を憎みながら同時に深く愛する娘の、心の葛藤が描かれています。 小説は …

『バズの中にはおよそシェア100万個分の栄養素が含まれている』尾崎世界観(著) 読書感想

『バズの中にはおよそシェア100万個分の栄養素が含まれている』 尾崎世界観(著) (『文藝』2019年冬号)   昨年『文藝』に発表された尾崎世界観さんの小説。短篇と言っていい長さでしょうか。 リズミカルで軽く …

『青いポポの果実』三国美千子(著) 読書感想

『青いポポの果実』 三国美千子(著)  (『新潮』2019年12月号) 10歳の多感な少女期の初恋(と言って良いのでしょう)の記憶を綴った物語。 こんなにも分かりにくく歪で淡いものが、ちゃんと小説として認められるのだな、 …

『星月夜』李琴峰(著) 読書感想

『星月夜』 李琴峰(著)  (『すばる』2019年12月号に掲載)   大学で日本語を教えている台湾出身の非常勤講師と、その生徒であるウイグル地区出身の留学生との、同性同士の恋。 言葉や文化の壁だけでなく、偏見 …

『生命式』村田沙耶香(著) 読書感想

『生命式』 村田沙耶香(著) (河出書房新社)   表題作含め全12篇からなる短篇集です。 現代人が常識だと思っていることを、爽快なほど(あるいは不気味なほど)ぶち壊してくれる良質な作品ばかりです。 禁断の蜜の …

『最高の任務』乗代雄介(著) 第162回芥川賞候補作品 読書感想

第162回芥川賞候補作品 『最高の任務』 乗代雄介(著) (『群像』2019年12月号に掲載)   本作の主人公(語り手)である「私」は、デビュー作である「十七八より」の主人公でもある阿佐美景子です。 かつて自 …

『如何様』高山羽根子(著)読書感想

『如何様』 高山羽根子(著) (『小説トリッパー』2019年夏号)   戦後、復員兵として戻ってきたある男(画家)が、偽物ではないかという疑問を持たれ、その真相を調べてほしいと依頼された記者の視点から書かれてい …

『やすらい花』古井由吉(著) 読書感想

『やすらい花』 古井由吉(著)  (新潮社)   表題作を含む全八篇からなる短篇集です。 老いの境地にあって、男女の睦を(あるいは隔たりを)これほどに艶やかに怪しく書ける人はいるのでしょうか。 現実、夢、記憶、 …

『幼な子の聖戦』木村友祐(著) 読書感想

『幼な子の聖戦』 木村友祐(著) (『すばる』2019年11月号に掲載)   地元の村長選をめぐり、不本意な理由から友人である候補者の妨害に関わらることになっていく男の物語。 閉塞感の中に閉じ込められ、ひたすら …

『異星の客』ロバート・A・ハインライン(著)/井上一夫(訳) 読書感想

『異星の客』 ロバート・A・ハインライン(著) 井上一夫(訳) (創元SF文庫)   言わずと知れたSFの大家ハインラインの、ヒューゴー賞を受賞した長篇。 地球人の両親の間に生まれて火星人に育てられた青年が、全 …

『某』川上弘美(著) 読書感想

『某』 川上弘美(著)  (幻冬者)   名前も年齢も性別すら分からなくて、突然意識を持ちはじめた「誰でもない者」が語りだす、奇妙な物語。 人間の(いや命の)自我とは何か、生きているとは、死ぬとは、自分が自分で …

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