芥川賞、群像、新潮、すばる、文藝、文學界等の新人賞受賞作の読書感想

読書感想

『孤島の飛来人』山野辺太郎(著) 読書感想

『孤島の飛来人』 山野辺太郎(著) (『文藝』2019年冬号に掲載)   デビュー作である文藝賞を受賞した『いつか深い穴に落ちるまで』では、地球に穴を掘り貫通させてその通路を通り抜けるという奇想天外で大掛かりな …

『発熱』ル・クレジオ(著)/高山鉄男(訳) 読書感想

『発熱』 ル・クレジオ(著) 高山鉄男(訳)  (新潮社) 表題作を含む、全十篇からなる短篇集です。今回は、表題作『発熱』を読んでみました。 旅行代理店に勤めるロクという男の狂気が描かれています。一人称ではなく三人称。 …

『終の住処』磯﨑憲一郎(著)第141回芥川賞受賞作品 読書感想

第141回芥川賞受賞作品 『終の住処』 磯﨑憲一郎(著) (新潮社) 本作は、2009年に芥川賞を受賞していて、ということはもう11年も前に書かれた作品なわけです。当時の選評などを読むと、受賞作でありながら、中々な辛口の …

『カタストロフ』町屋良平(著) 読書感想

『カタストロフ』町屋良平(著) (『文藝』2019年冬号に掲載) 小学校時代同級生でそんなには親しくなかったけど、会社員になってから同僚として再開し、職場の部活を通して親しくなった二人の若者が、運動という行為の中で子供時 …

『カロンテ』吉本ばなな(著) 読書感想

『カロンテ』  吉本ばなな(著)    (『新潮』2020年2月号に掲載) 短篇です。亡くなった女友達の母親に頼まれて、ローマにいる亡き女友達の婚約者に形見の品を渡し行く三十代の女性の話。 大切な存在を失くした人の、喪失 …

『溶ける指』清水裕貴(著)読書感想

『溶ける指』 清水裕貴(著)   (『文藝』2019年冬号に掲載) 窓硝子という無機物の視点から、有機物である人間や黴や植物、蟹、海、空…世界を描写していて、物理的に動けない窓が見る小さな狭い範囲の事なのに、鳥肌が立つほ …

『あなた紀』最果タヒ(著)読書感想

『あなた紀』  最果タヒ(著)   (『文學界』2020年2月号に掲載) 詩人でもあるので、文章は面白いと思いました。 埋めた宝くじの5000万の扱いが雑すぎて、そこが返ってシュールで笑ってしまいました。エンタメ仕立ての …

『いまから帰ります』天童荒太(著) 読書感想

『いまから帰ります』 天童荒太(著)  (『新潮』2020年2月号に掲載) 被災地で除染作業のアルバイトをする映画監督志望の青年の視点で描かれた人間ドラマ。 現場での作業風景や、そこで働く人々の背景にあるものがリアルに描 …

『花子と桃子』小山内恵美子(著)読書感想

『花子と桃子』 小山内恵美子(著) (『すばる』2020年2月号に掲載) アパレル系のセレクトショップで働く二人の女の愛憎劇といったところ。 服を扱う仕事(販売)をして生きている女性の視点で描かれていて、服と体(裸)と女 …

『アウア・エイジ(Our Age)岡本学(著)読書感想

『アウア・エイジ(Our Age)  岡本学(著)  (『群像』2020年2月号に掲載) 大学時代、映写技師のアルバイトとして映画館で働いていた語り手(「私」)が、20年の時を経て、当時心を寄せていた女性(ミスミ)との思 …

『掃除婦のための手引き書』ルシア・ベルリン(著)/岸本佐知子(訳) 読書感想

『掃除婦のための手引き書』  ルシア・ベルリン(著)  岸本佐知子(訳)  (講談社)   短篇の作品集です。言葉のチョイスやテンポが面白く、才気を感じました。 実人生を投影した作品が多いようで、表題作である『 …

『なにかが首のまわりに』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著)/くぼたのぞみ(訳) 読書感想

『なにかが首のまわりに』 チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著) くぼたのぞみ(訳)  (河出文庫) 1977年にナイジェリア南部のエヌグに生まれたイボ民族出身の女性作家、アディーチェの短篇集です。 アフリカで生まれ育 …

『猿を焼く』東山彰良(著) 読書感想

『猿を焼く』  東山彰良(著)  (『群像』2020年1月号に掲載) 中学3年生だった「ぼく」は、突然農業をやりたいと言い出した両親について九州の田舎町にやってきた。閉鎖的な社会の中で孤立していった「ぼく」は、ひとりの少 …

『的になった七未』今村夏子(著) 読書感想

 『的になった七未』今村夏子(著) (2020年文學界 1月号に掲載) 今村夏子さんが描く主人公は、いつもどこか孤独を抱えていて哀しい、それでいて純真無垢であるという少女のイメージがあります。 本作も、そういう少女が登 …

『ぬいぐるみとしゃべるひとはやさしい』大前粟生(著) 読書感想

『ぬいぐるみとしゃべるひとはやさしい』  大前粟生(著)   (『文藝』2019年冬号に掲載) 優しすぎて日常生活の些細な出来事の中で傷ついてしまう、大学生の七森と麦戸ちゃんの物語。 七森と麦戸ちゃんは、性別は違えどよく …

スポンサーリンク

Twitter でフォロー

スポンサーリンク




アーカイブ

PAGETOP
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.