読書感想
『悪い音楽』九段理江(著)第126回文學界新人賞受賞作品 読書感想
第126回文學界新人賞受賞作品 『悪い音楽』 九段理江(著) (「悪い音楽」はSchoolgirl 単行本に収録、『文學界』2021年5月号に掲載) 『Schoolgirl』が第166回の芥川賞候補となって …
『オン・ザ・プラネット』島口大樹(著)第166回芥川賞候補作品 読書感想
第166回芥川賞候補作品 『オン・ザ・プラネット』 島口大樹(著) 自主映画を撮影するため、大学の友人4人で鳥取砂丘を目指す「ぼく」。 小説は「ぼく」なる人物の一人称語りという形であるのですが、実際に小説を …
『Schoolgirl』九段理江(著)第166回芥川賞候補作品 読書感想
第166回芥川賞候補作品 『Schoolgirl』 九段理江(著) (『文學界』2021年12月号に掲載) デジタルネイティブ世代である14歳の娘。小説は、その母親である人物の語りで、主に構成されている。その中に、語り手 …
『我が友、スミス』石田夏穂(著)第166回芥川賞候補作品 読書感想
第166回芥川賞候補作品 『我が友、スミス』 石田夏穂(著) (『すばる』2021年11月号に掲載) 本作は、第45回すばる文学賞で、佳作に輝いた作品です。新人の文学賞から芥川賞候補作品にいきなりノミネート …
『皆のあらばしり』乗代雄介(著) 第166回芥川賞候補作品 読書感想
第166回芥川賞候補作品 『皆のあらばしり』 乗代雄介(著) (『新潮』2021年10月号に掲載) 高校の歴史研究部に所属している少年(「ぼく」)と、流暢な大阪弁を話す自称会社員の怪しげな男との、ほぼ2 …
『ミシンと金魚』永井みみ(著)第45回すばる文学賞受賞作品 読書感想
第45回すばる文学賞受賞作品 『ミシンと金魚』 永井みみ(著) (『すばる』2021年11月号に掲載) デイサービスを利用して家族やヘルパーの訪問介護なども受けながら一人暮らしをしている老女の物語。 小説は …
『鳥がぼくらは祈り、』島口大樹(著) 第64回群像新人文学賞受賞作品
第64回群像新人文学賞受賞作品 『鳥がぼくらは祈り、』 島口大樹(著) (『群像』2021年6月号に掲載) 第64回群像新人文学賞は2作品か受賞していて、本作品と同時受賞されたのが、石沢麻依さんの『貝に続く …
『ブラックボックス』砂川文次(著) 読書感想
第166回芥川賞候補作品 『ブラックボックス』 砂川文次(著) (『群像』2021年8月号に掲載) 幾度も転職を繰り返した末、メッセンジャー(自転車便の配達員)の職につき、それなりに職務経験を重ねて平穏に …
『JR上野駅公園口』柳美里(著)読書感想
2021年12月18日 読書感想
全米図書賞(翻訳文学部門)受賞作品 『JR上野駅公園口』 柳美里(著) (河出文庫) 天皇と同じ日に生まれ、高度経済成長の時代を出稼ぎ労働者として生きた東北出身の男。家族の為に人生の大半を肉体労働に捧げながら、自身は家族 …
『水たまりで息をする』高瀬隼子(著)第165回芥川賞候補作品 読書感想
第165回芥川賞候補作品 『水たまりで息をする』 高瀬隼子(著) (集英社) 突然風呂に入らなくなった夫と、その奇行を間近で見守り続ける妻の物語。 夫はある時から、水道水のカルキ臭に耐えられないと言い出し、 …
『クララとお日さま』カズオ・イシグロ(著)/土屋政雄(訳) 読書感想
『クララとお日さま』 カズオ・イシグロ(著) 土屋政雄(訳) (早川書房) クララは、人間の子供の友達となるべくつくられた、人工親友(AF)で、高性能な人工頭脳(AI)が搭載されていて、人間のように色々考え …
『水と礫』藤原無雨(著)第57回文藝賞受賞作品 読書感想
第57回文藝賞受賞作品 『水と礫』 藤原無雨(著) (『文藝』2020年冬号に掲載) 書き出しの文体を読んだ時に惹かれるものがありました。 主人公の名前(クザーノ)といい、『乾いた土地でなければならなかった …
『マイイベント』本谷有希子(著)読書感想
2021年3月24日 読書感想
『マイイベント』 (『あなたにオススメの』より) 本谷有希子(著) (『群像』2021年1月号) 50年に1度の大規模災害の恐れがあるという台風がやってくるというので、それに備えて異様に張り切っている中年男 …
『旅する練習』乗代雄介(著)第164回芥川賞候補作品 読書感想
第164回芥川賞候補作品 『旅する練習』 乗代雄介(著) (『群像』202012月号に掲載) 中学進学を控えた少女と、その叔父(小説家)という、普通あまり見かけない組み合わせで展開される2人旅(途中から3に人なる)。 小 …
『小隊』砂川文次(著)第164回芥川賞候補作品 読書感想
2020年12月25日 その他
第164回芥川賞候補作品 『小隊』 砂川文次(著) (『文學界』2020年9月号に掲載) 現代日本のどこかの街(北の方にある地域)で、繰り広げられるリアルな戦争。 目の前で人が撃たれて死ぬこともある、リアル …