芥川賞、群像、新潮、すばる、文藝、文學界等の新人賞受賞作の読書感想

人知れず作品

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知名度が乏しく、埋もれた作品を載せました。

読書初心者、玄人向け海外作品それぞれ

これを知っていたら、あなたも文学通!?

 

読書初心者向けのおすすめ

アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)

アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)

森絵都(著)

直木賞作家。「カラフル」のほうが有名で読みやすいが、この作品のほうが凄い。

ハルさん (創元推理文庫)

ハルさん (創元推理文庫)

藤野恵美(著)

人形作家の父と娘の話。ほのぼのとした作品。

おしかくさま (河出文庫)おしかくさま (河出文庫)

谷川直子(著)

 

お金の神様を崇める女たちとバツイチ女性の話。著者は作家・高橋源一郎の三番目の妻。

タンノイのエジンバラ (文春文庫 (な47-2))タンノイのエジンバラ (文春文庫 (な47-2))

長島有(著)

 

短編集。他の収録作「30歳」もおすすめ

さくら (小学館文庫)さくら (小学館文庫)

西加奈子(著) 

 

西加奈子はだいたい全部面白いが、これが一番すっと胸におちる。

助手席にて、グルグル・ダンスを踊って (河出文庫)助手席にて、グルグル・ダンスを踊って (河出文庫)

伊藤たかみ (著)

 角田光代の元夫。芥川賞作家。この作品は荒削りなところがあるが、勢いがある。

死にたくなったら電話して死にたくなったら電話して

李龍徳 

 文学的というよりは、現代風の描き方。キャバクラからはじまる。

はじめての文学 宮本輝はじめての文学 宮本輝

収録作の「力道山の弟」

宮本輝

 

 小川洋子さんの「小川洋子の偏愛短篇箱 (河出文庫)」にも収録されている。群を抜く圧倒的なおもしろさ。




★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

玄人向け(文学的傾向が高い)

なにもしてない (講談社文庫)なにもしてない (講談社文庫)

笙野頼子(著)

 

女性初、芥川賞、野間文芸新人賞、三島賞の三冠。イメージとしては、作者は完全にお笑い芸人のハリセンボンの春菜。たまにオジサンと間違えられるらしい。後期の作品はマニアックすぎてついていけないが、これは文学的にも、笑いのツボにはまった。

掏摸(スリ) (河出文庫)掏摸(スリ) (河出文庫)

中村文則 (著)

これはエンタメ的にも成功している。あと彼の作品のなかでは、「銃」がおすすめ。

授乳 (講談社文庫)授乳 (講談社文庫)

村田沙耶香 

 

「ギンイロノウタ」(三島賞)からずっと注目している作家。群像新人文学賞優秀賞。作家にファンが多い。

肉骨茶肉骨茶

高尾長良(著) 

 新潮新人賞受賞作。作者は若い女性。京大医学部在学中に書いた。拒食症の女の子の話。食べ物を便器に捨てる描写が素晴らしい。

秒速10センチの越冬秒速10センチの越冬

岡崎祥久 (著)

 

ふらっと仕事を辞め、工場でのライン作業で働く話。身につまされた。

壁 (新潮文庫)壁 (新潮文庫)

安部公房 (著)

 

シュールレアリズム的作品。人により評価がわかれる。文章理解力よりも、人のタイプによるのだろう。サリンジャーが好きとか、ドストエフスキーが好きとか、そういうこと。

娘と私 (ちくま文庫)娘と私 (ちくま文庫)

獅子文六 (著)

 

連続テレビ小説の初代作品。古い作家だが、戦前のあの時代、野たれ時に覚悟でフランスへ行き、フランス人と結婚した。地元の記録史を購入して読んでいたのだが、街並みの描写がそのとおりで素晴らしかったので、作家を調べるとこの作家だった。

言い寄る (講談社文庫)言い寄る (講談社文庫)

田辺聖子 (著)

 

田辺聖子ってどんな作家? と興味を持っていたときに、薦めてもらった作品。芥川賞作家。時代が古いが、じゅうぶん現代でも通用する。





★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

海外作品(ちょっと難しいかも!?) 

パパ・ユーアクレイジー (新潮文庫)パパ・ユーアクレイジー (新潮文庫)

W.サローヤン (著)

 「空中ブランコにのった若者」から入った。サローヤンはたまに耳にすると思うが、おすすめは、コレ。

蜘蛛女のキス (集英社文庫)蜘蛛女のキス (集英社文庫)

マヌエル・プイグ (著)

 

妻が好きな作品。全内容が、ほぼ会話のみで成立しているという、驚異の作品。

血の収穫 (創元推理文庫 130-1)血の収穫 (創元推理文庫 130-1)

ダシール・ハメット(著)

 

ハードボイルド。チャンドラーが好きなら絶対に読むべき。師匠にあたる。とにかくド派手。私には、このジャンルでこれ以上のものはないと思う。

ヘンリ・ライクロフトの私記 (岩波文庫)ヘンリ・ライクロフトの私記 (岩波文庫)

ギッシング (著)

 

作家を目指すのなら、読むべき一冊。小説家の苦悩の物語。涙がでてくる。

終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス)終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス)

ジュリアン・バーン (著)

 

彼女の家に行くと、下品な家族がいて、滞在中、ずっと便秘をしていた、という話がめちゃくちゃ受けた。

朗読者 (新潮文庫)朗読者 (新潮文庫)

シュリンク (著)

 

三十路をすぎた女性と、病弱な15歳の少年のエロティックな話。それだけじゃない、材料も多くある作品

清掃夫(バンギィ・カースト)の息子清掃夫(バンギィ・カースト)の息子フィリップ・コトラー (著)

 

インドのカースト下位の、トイレ清掃婦のひどい話。深刻な内容。

詩人と女たち (河出文庫)詩人と女たち (河出文庫)

C.ブコウスキー 

 

「町でいちばんの美女」もおすすめだが、こちらは自伝的長篇。酒、女、ギャンブル。

光あるうち光の中を歩め (新潮文庫)光あるうち光の中を歩め (新潮文庫)

トルストイ

 ロシア文学は、翻訳で全然違う。新潮文庫しかなかったが、北御門二郎訳をみつけられたら、そちらのほうが断然いい。北御門二郎宅へかつて電話をかけ、在庫を問い合わせたことがあるが、病気で息子さんが代わりにメールで返信をもらった。「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」「復活」以降の、後期作品は、あまり知られていないが、「文読む月日」「イワン・イリッチの死」「人生の道」、すべておすすめ。

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