芥川賞候補作
『旅する練習』乗代雄介(著)第164回芥川賞候補作品 読書感想
第164回芥川賞候補作品 『旅する練習』 乗代雄介(著) (『群像』202012月号に掲載) 中学進学を控えた少女と、その叔父(小説家)という、普通あまり見かけない組み合わせで展開される2人旅(途中から3に人なる)。 小 …
『推し、燃ゆ』宇佐見りん(著)第164回芥川賞候補作品 読書感想
第164回芥川賞候補作品 『推し、燃ゆ』 宇佐見りん(著) (『文藝』2020年秋号に掲載) デビュー作の文藝賞受賞作『かか』で、三島由紀夫賞を受賞した宇佐見りんさんの、二作目の作品です。 前作でも感じまし …
『破局』遠野遥(著) 第163回芥川賞候補作品 読書感想
第163回芥川賞候補作品 『破局』 遠野遥(著) (『文藝』2020年夏号に掲載) 高校時代ラグビーの選手だった『私』は、現在大学四年生。自らは公務員試験を控えていて、堅実な未来を見据えているが、政治家を …
『赤い砂を蹴る』石原燃(著) 第163回芥川賞候補作品 読書感想
第163回芥川賞候補作品 『赤い砂を蹴る』 石原燃(著) (『文學界』2020年6月号に掲載) 作品を読了後に、著者が太宰治の孫であることを知りました。母親は、太宰治の娘で作家の津島佑子さんです。 物語は …
『アキちゃん』三木三奈(著) 第125回文學界新人賞受賞作品/第163回芥川賞候補作品 読書感想
第125回文學界新人賞受賞作品/ 第163回芥川賞候補作品 『アキちゃん』 三木三奈(著) (『文學界』2020年5月号に掲載) 成人した女性が、小学校時代に親しかった「アキちゃん」という同級生との思い出 …
『首里の馬』高山羽根子(著) 第163回芥川賞候補作品 読書感想
第163回芥川賞候補作品 『首里の馬』 高山羽根子(著) (『新潮』2020年3月号に掲載) 題名にもある通り、物語の舞台は沖縄の首里です。 この地域の一角に、一軒の古いコンクリート建築の家があり、ここを …
『最高の任務』乗代雄介(著) 第162回芥川賞候補作品 読書感想
第162回芥川賞候補作品 『最高の任務』 乗代雄介(著) (『群像』2019年12月号に掲載) 本作の主人公(語り手)である「私」は、デビュー作である「十七八より」の主人公でもある阿佐美景子です。 かつて自身によって「あ …
『生きてるだけで、愛。』本谷有希子(著) 読書感想
第135回芥川賞候補作 『生きてるだけで、愛。』 本谷有希子(著) (新潮文庫) 高校時代、なんとなく学校生活がかったるいという理由だけで、体中の毛を(まつげと鼻毛以外)剃ってしまったことがあるという、自意識の非常に強 …
『五つ数えれば三日月が』李琴峰(著) 第161回芥川賞候補作品 読書感想
第161回芥川賞候補作品 『五つ数えれば三日月が』 李琴峰(著) (文藝春秋) 台湾籍の日本の小説家、李琴峰さんの小説。 台湾で生まれ育ち、東京の大学院を卒業してそのまま東京で就職した主人公の女性と、彼女が想いを寄せる …
『百の夜は跳ねて』古市憲寿(著) 第161回芥川賞候補作品 読書感想
第161回芥川賞候補作品 『百の夜は跳ねて』 古市憲寿(著) (新潮社) 社会学者でコメンテーターとしてテレビなどメディアで大活躍の古市憲寿さんは、昨年『平成くん、さようなら』でも芥川賞候補となりましたが、今回二度目の …