文藝賞
『水と礫』藤原無雨(著)第57回文藝賞受賞作品 読書感想
第57回文藝賞受賞作品 『水と礫』 藤原無雨(著) (『文藝』2020年冬号に掲載) 書き出しの文体を読んだ時に惹かれるものがありました。 主人公の名前(クザーノ)といい、『乾いた土地でなければならなかった …
『改良』遠野遥(著)第56回文藝賞受賞作品 読書感想
第56回文藝賞受賞作品 『改良』 遠野遥(著) 『文藝』2019年冬号に掲載) 今回の文藝賞は二作品が選ばれており、もう一作は宇佐見りんさんの『かか』です。 興味深いのは、二作品共に、暴力としての「男性像」が、形は …
『かか』宇佐見りん(著) 第56回文藝賞受賞作品 読書感想
第56回文藝賞受賞作品 『かか』 宇佐見りん(著) (『文藝』2019年冬号に掲載) 父親が浮気して家を出た後に精神を病んでしまった母親を憎みながら同時に深く愛する娘の、心の葛藤が描かれています。 小説は、姉である語り …
『いつか深い穴に落ちるまで』山野辺太郎(著)第55回文藝賞受賞作品 読書感想
第55回文藝賞受賞作品 『いつか深い穴に落ちるまで』 山野辺太郎(著) (河出書房新社) まず、本作は日上秀之さんの『はんぷくするもの』と同時に文藝賞を受賞となった作品です。 選考委員の選評を読む限りでは、 …
『はんぷくするもの』日上秀之(著)第55回文藝賞受賞作品 読書感想
第55回文藝賞受賞作品 『はんぷくするもの』 日上秀之(著) (河出書房新社) 震災で家も店舗も無くした主人公が、仮設住宅に住みながら仮設のプレハブ店舗で、家業である商店を細々と続いている様子を描いた小説。 …
『助手席にて、グルグル・ダンスを踊って』伊藤たかみ(著)第32回文藝賞受賞作品 読書感想
第32回文藝賞受賞作品 『助手席にて、 グルグル・ダンスを踊って』 伊藤たかみ(著) (河出文庫) 『八月の路上に捨てる』で芥川賞を受賞した伊藤たかみさんの、デビュー作で、大学在学中に書かれました。 小説の …
『野ブタ。をプロデュース』白岩玄(著)第41回文藝賞受賞作品 読書感想
第41回文藝賞受賞作品 『野ブタ。をプロデュース』 白岩玄(著) (河出書房新社) 2004年に文藝賞を受賞した作品です。 当時は、テレビドラマにもなって、話題を集めていた、という印象ですが、 …
『リレキショ』中村航(著)第39回文藝賞受賞作品 読書感想
第39回文藝賞受賞作品 『リレキショ』 中村航(著) (河出文庫) 第26回野間文芸新人賞を受賞した『ぐるぐるまわるすべり台』や、『夏休み』、『100回泣くこと』の作者、中村航さんの、デビュー …
『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子(著)第54回文藝賞受賞作品 読書感想
『おらおらでひとりいぐも』 若竹千佐子(著) (『文藝』2017年冬号に掲載) 夫に先立たれ、息子や娘たちとも離れて暮らす70代女性(桃子さん)の、自問自答。 若き …
「青が破れる」町屋良平著(第53回文藝賞受賞作)読書感想
「青が破れる」 町屋良平著 (第53回文藝賞受賞作) 「あいつ、ながくないらしいんよ」 ボクサー志望の秋吉(おれ)は、ハルオ(友達)の彼女(とう子)の見舞いに行った帰り、ハルオからそう告げられる。 ハル …