『ひゃーへーひゃーへーひゃらひゃーへー』

篠原勝之(著) 

(『文學界』2020年8月号に掲載)

 

山奥の作業場で普段は一人暮らしをしている七十代の彫刻家の男が、脳梗塞になって入院することになる話。

実体験なのかな、と思うくらい描写がリアルで、ちょっと怖い話なはずなのに、ユーモラスな感じのする作品でした(実際、作者の体験を元にした私小説的作品なのかもしれません)。

読んでいると、脳梗塞で呂律が回らなくなっている語り手が、それでもめげずに喋っているのが可愛らしく思えてきて、妙な親近感が湧いてきました。無骨な感じの文章も良かったと思います。