『あなた紀』 最果タヒ(著) (『文學界』2020年2月号に掲載)
詩人でもあるので、文章は面白いと思いました。
埋めた宝くじの5000万の扱いが雑すぎて、そこが返ってシュールで笑ってしまいました。エンタメ仕立てのミステリーなら、まだいくらでも味付けをして主菜にできるところを、あっさり放棄して、双子の弟との関係にシフトをずらしているところなど、心憎いと思います。
各登場人物たちの人物造形が分かりにくいところも、印象派の絵画みたいな味わいにまで達しているので、私は良かったと思います。
『あなた紀』 最果タヒ(著) (『文學界』2020年2月号に掲載)
詩人でもあるので、文章は面白いと思いました。
埋めた宝くじの5000万の扱いが雑すぎて、そこが返ってシュールで笑ってしまいました。エンタメ仕立てのミステリーなら、まだいくらでも味付けをして主菜にできるところを、あっさり放棄して、双子の弟との関係にシフトをずらしているところなど、心憎いと思います。
各登場人物たちの人物造形が分かりにくいところも、印象派の絵画みたいな味わいにまで達しているので、私は良かったと思います。