文學界2018年1月号

《短篇》

『黄ばんだ手蹟』

西村賢太(著)

(『文學界』2018年1月号に掲載)

 

 

 

作者の分身ともいえる主人公(貫多)が師と敬う、藤澤清造の残した書簡に纏わる短篇。

かれこれ18年程前、貴重な師の手蹟を手に入れた貫多は、大切に保存する為に扁額を造ろうとするのですが……。

遠い日の空回りしてしまった手蹟への想いを、貫多が取り戻す話。

少しほろ苦いようで、なぜか優しい気持ちにもなりました。