『死者たち』
畠山丑雄(著)
(『文藝』2017年秋号に掲載)
『地の底の記憶』で、第52回文藝賞を受賞した畠山丑雄さんの小説。
文藝賞受賞後第一作目となる作品だそうです。
岡本芽衣子なる女性の嫁ぎ先である来栖家の人々を、戦前から戦後にかけて二世代に渡って描いています。
人物の造形として追い求めていくと、どうにも捉えどころがないままにエピソードの一つ一つが閉じられていく気がして、どの登場人物にも感情移入することができませんでした。
これは、「物語の為の物語」なのかもしれないと思い、その感覚で読んでいくと、題名から受けていた印象も変わりました。