ファンタジスタ (集英社文庫)

『ハイウェイ・スター』

星野智幸(著)

(『ファンタジスタ』(集英社)に収録)

 

 

 

十四歳でハンドルを握って早ドライバー歴二年、の「ぼく」。

数カ月前、記録的な冷え込みで路面が凍結し、大渋滞のまま立ち往生したハイウェイで、自称”自然の子”のU作と知り合う。

渋滞から抜け出した「ぼく」とU作は、高速で並走しながらコミュニケーションを取り合う関係を続け、仲良くなる。

U作に誘われて、墓掘りのような怪しげなアルバイトに参加した「ぼく」は……。

 

『ファンタジスタ』の三番目に収録されている作品で、かなり”ぶっとんでいるな”という印象を持ちました。

ハイウェイを爽快に駆け抜けていると思っていたら、そこから時空のねじ曲がった地獄のような気配のする穴の底に、連れて行かれます。

夢なのか現実なのか、はたまたおとぎ話なのか……?

リアルと非リアルの境界線もおぼろな異空間を、彷徨い旅しているような、そんな作品でした。