『カタストロフ』町屋良平(著) (『文藝』2019年冬号に掲載)

小学校時代同級生でそんなには親しくなかったけど、会社員になってから同僚として再開し、職場の部活を通して親しくなった二人の若者が、運動という行為の中で子供時代の記憶を取り戻していったり、感覚を研ぎ澄ましたり…というちょっと不思議な話。人間の記憶が、脳でもなく肉体でもなく、運動することそのものの中に残っていくような感覚があり、読んでいて不気味でもあった。