文學界2018年2月号

《短篇》

『十三夜のコインランドリー』

保坂和志(著)

(『文學界』2018年2月号に掲載)

 

 

「この人の閾」で、第113回芥川賞を受賞した保坂和志さんが、『文學界』2018年2月号に発表した、短篇小説。

この月の『文學界』は、「新春創作特集」として、6人の作家による6篇の小説(短篇5作、中篇1作)を掲載していて、どれもなかなか面白い内容でした。本作は、その中の一篇です。

音楽と、日常と、猫……。

過去と現在の時間が、なんとなく小説の中で気だるく溶け合っていて、ぼんやりと読んでいるだけで、その世界に自分も漂っているみたいで、心地のいい作品でした。

キャロル・キングとか、ジミ・ヘンドリックスとか、ジャニス・ジョプリンとかの話を、深夜のコインランドリーとか猫の話の合間でさりげなくしてくる小説は、なんだか知らないけどカッコイイな、と思ってしまいました。