『おいしい家族』 ふくだももこ(著)  (集英社)

結婚3年目にして夫婦として機能しなくなった夫との関係に悩んでいる主人公の女性が、母親の三回忌に故郷である島に帰郷し、そこで久しぶりに再会した家族との交流が描かれています。

スリランカ人の女性と結婚した弟の成長ぶりに驚いていたのもつかの間、実家に帰るともっと衝撃的なことが待っていて、なんと地元の高校で校長を務める父親が、死んだ母親の服を着てなぜか普通に振舞っています。しかも新しく家族になろうとしている人たちがいるとして、紹介されたのは……。

家族や男女の生き方、在り方、関係の多様性が、少しコミカルなタッチで描かれていて、劇を見ているみたいに読んでいるうち、色々と考えさせられる感じでした。