『バルコニー』 加藤秀行(著) (『新潮』2019年3月号に掲載)

 

塾講師のアルバイトをしている大学生と、年の離れた同僚の塾講師の女性との交流を描いた短篇小説。

共同での翻訳作業という体験を通じて触れ合う男女の関係は、恋愛と言うには曖昧な淡さがあり、どこかつかみどころがないという気がしました。

しかし、翻訳という作業の言語変換の過程で、見知らぬ世界を垣間見せてくれるところなどは、読んでいてとてもおもしろいと思いました。