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『勇気は風になる。』

舞城王太郎(著)

(『新潮』2019年1月号に掲載)

 

こちらは、舞城さんの短篇小説。

実の母親の弟に殺さらてしまう4歳の子供の死後の意識が主人公という、かなりショッキングな内容です。

悲しくてやりどころのない物語かと言えば、実はそうではなくて、とても不思議で、むしろ勇気づけられたり、家族の繋がりや愛を感じたりできる展開になっています。

主人公が死んだ後の意識なので、空間や時空や認識、延いては存在の壁さえも超えていき、やがて家族の歴史まで変えてしまうという、全く奇想天外なお話になっています。

短篇ではありますが、かなり読み応えがあったなと思います。