2019年本屋大賞ノミネート作品 『そして、バトンは渡された』 瀬尾まいこ(著) (文藝春秋)
3人の父親と2人の母親。
17年間で7回も家族の形態が変わり、4回名字が変わった少女・優子は、けれど全然不幸ではないという。
家族のあり方について何かを訴えてくる作品であったことは確かだと思う。
私には少し奇妙だと思える、優子を取り囲む大人達の言動が多かったけれど、だだ優子という少女の芯は、いつもしっかりとしていて全くブレてない。そこが何より驚愕だった。
学校での友達とのいざこざからはじまったイジメの場面でも、全く負けてない。こんなに強い人間でいられる優子が羨ましいな、こうあるべきなんだらうな、と身につまされる思いがしたものでした。
食べるシーンや、料理に関する描写が多かったのも、印象的でした。