『とうもろこし畑の七面鳥』
柴崎友香(著)
(『新潮』2017年9月号掲載)
アイオワ大学には、世界各国の作家さんばかりが集まって過ごす(3カ月間)、インターナショナル・ライティング・プログラム(IWP)という、実にクリエイティブな集い(?)があるらしく、柴崎友香さん自身がこれに参加した体験を元に書かれた短編です。
ほとんど、体験記と言ってもいいような内容です。
アメリカ中西部のアイオワ。
その広大な大地に広がるトウモロコシ畑の、ちょっと不気味な感じとか、慎ましくてどこか可愛らしくさえあるアーミッシュの人々の暮らしぶりとか、その土地に行かなければ触れることのできないアメリカンな空気に、ちょっとだけ浸れる作品です。
アイオワ連載の3つ目だそうです。
トウモロコシ畑の不気味さといえば、どうしてもスティーヴン・キングの『トウモロコシ畑の子供たち』を思い出してしまうのですが、こちらの舞台も中西部でネブラスカ。アイオワのお隣ですね。