芥川賞、群像、新潮、すばる、文藝、文學界等の新人賞受賞作の読書感想

読書感想

「クロスフェーダーの曖昧な光」飯塚朝美(著)(第40回新潮新人賞受賞作)読書感想

「クロスフェーダーの曖昧な光」  飯塚朝美(著) (第40回新潮新人賞受賞作) (『新潮』2008年11月号掲載) 色覚に障害があり、赤い色が他の人と同じようには見えない世界にいる、「僕」。 かつて、僕にとっての光だった …

「アウレリャーノがやってくる」高橋文樹(著)(第39回新潮新人賞受賞作品)読書感想

「アウレリャーノがやってくる」  高橋文樹(著) (第39回新潮新人賞受賞作品) (『新潮』2007年11月号掲載)   70歳を超えた僧侶が、美貌の娘に狂い二人の子を成した後で涅槃に旅立った。それが、主人公ア …

「あひる」今村夏子著(書肆侃侃房)読書感想

「あひる」 今村夏子著(書肆侃侃房) (第155回芥川賞候補作)   主人公の「わたし」が両親と暮らす実家で、「のりたま」という名前のあひるを飼うようになった。のりたまは、父親の元同僚が飼っていたあひるで、事情 …

「ポータブル・パレード」吉田直美(著)(第38回新潮新人賞受賞作)読書感想

「ポータブル・パレード」 吉田直美(著) (第38回新潮新人賞受賞作) (『新潮』2006年11月号掲載) 主人公の蔓巻いづみは、『アル・パチーノ』という、『ドン・キホーテ』もどきのディスカウントショップで店長として働い …

「東京宝石箱」中山咲著(『文藝』2014年冬号 掲載)読書感想

「東京宝石箱」   中山咲著 (『文藝』2014年冬号 掲載)   短大を卒業した主人公「私」は地元で就職していたが、友達に東京の仕事(貿易事務)を紹介され、母親の反対を押し切って、上京。 東京と言っても、不動 …

文学新人賞をぜひとってみたい!!純文学系新人賞を過去受賞作から研究してみました その8

こんにちは。ぼやぼやしているうちに、すっかり年末ですね(´-`) 第8回目の『tori研』です。 今回は、文藝賞の、第49回~第52回(2012年~2015年)を、まとめてみました。 以下が受賞作の一覧です。 第49回( …

「アカガミ」窪美澄著(河出書房新社)読書感想

「アカガミ」  窪美澄著 (河出書房新社)   近未来――西暦2030年代の話。 少子高齢化が進み、若者の自殺率が高まった日本。 ”二〇〇〇年以降に生まれた若者の寿命は四十歳までもたないかもしれない”とする二〇 …

「平成マシンガンズ」三並夏(著)(第42回文藝賞受賞作)読書感想

「平成マシンガンズ」  三並夏(著) (第42回文藝賞受賞作)   中学生の主人公「あたし」を取り巻く環境は、「あたし」にあまり優しくない。 母親の出て行った家に愛人を連れ込む父親は、厳格で冷たくて無関心だし、 …

「穴」三並夏著 読書感想

「穴」  三並夏 著 (『文藝』2010年冬号掲載)   高校を卒業すると同時に就職した主人公の「わたし」は、高校時代の親友(すみれ)と久々に会う。 高校時代は、双子みたいに似ていた二人だったが、女子大生になっ …

「死の花嫁」佐藤亜有子著 読書感想

「死の花嫁」  佐藤亜有子著  (『文藝』2010年冬号に掲載)   『ボディ・レンタル』で、第33回文藝賞優秀作を受賞し、2013年に薬物による中毒で急逝された、佐藤亜有子さんの作品です。 第117回芥川賞候 …

「穴」小山田浩子著(第150回芥川賞受賞作)読書感想

「穴」(新潮文庫) 小山田浩子著 (第150回芥川賞受賞作)   夫の転勤で、夫の実家の隣の借家に引っ越すことになった主人公(「私」)は、非正規で働いていた仕事を辞めることになった。 引っ越し先で新たに職探しを …

「わたしは妊婦」大森兄弟著(河出書房新社)読書感想

「わたしは妊婦」 大森兄弟著 (河出書房新社)   主人公の「私」は、妊婦である。 同じく妊婦である大学時代の友人(さほど親しくはない)から届く手紙は、いかにも理想的な妊婦然とした幸福感に満ちているが、私自身は …

「まことの人々」大森兄弟著(河出書房新社)読書感想

「まことの人々」 大森兄弟著(河出書房新社) 文藝賞受賞第一作   大学生の主人公(僕)の彼女は、女子大で演劇サークルに入っている。彼女は、芝居で悪役のエドモン軍曹なる人物を演じることになった。 劇の題名は「ま …

「永い言い訳」西川美和著(文藝春秋)読書感想

「永い言い訳」    西川美和著 (文藝春秋)   衣笠幸夫こと作家の津村啓は、ある日突然妻を亡くす。妻(夏子)は友人(大宮ゆき)と出かけていたバスツアーで事故に遭う。バスが転落したのだ。 妻が死んだとき、幸夫 …

「何様」朝井リョウ著(新潮社)読書感想

「何 様」 朝井リョウ著 (新潮社)     この作品は、第148回直木賞を受賞して、映画化もされた『何者』のアナザーストーリーとして書かれたものです。 既に『何者』を読んでいる人には、”ああ、あの登 …

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