芥川賞、群像、新潮、すばる、文藝、文學界等の新人賞受賞作の読書感想
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『ヒヨドリ』小山田浩子(著)読書感想

『ヒヨドリ』 小山田浩子(著) (『群像』2018年10月号に掲載)     夫と暮らす自宅のベランダに、一匹の雛鳥が迷い込んで……   夫と二人暮らしで子供はなく、仕事もしながら生活してい …

『春、死なん』紗倉まな(著)読書感想

『春、死なん』 紗倉まな(著) (『群像』2018年10月号)       私は著者を存じ上げなかったのですが、AV女優にして小説家、という肩書きを持つ方のようです。 本作は、妻に先立たれて …

『ストレンジャー』ミヤギフトシ(著)読書感想

『ストレンジャー』 ミヤギフトシ(著) (『文藝』2018年秋号に掲載)   ニューヨークの大学で写真を勉強している日本人の青年(ジャック)がはじめた、『Strangers』の企画。それは、知らない男たちと一緒 …

『波に幾月』藤代泉(著)読書感想

『波に幾月』 藤代泉(著) (『文藝』2018年秋号に掲載)   大学院時代の先輩の千疋さんを、語り手である男が訪ねていくという物語。 千疋さんが住んでいるのは空港が一つだけある島(南の方?)で、まるで世捨て人 …

『夏毛におおわれた』藤田貴大(著)読書感想

『夏毛におおわれた』 藤田貴大(著) (『文藝』2018年秋号に掲載)   シュールな劇のようでもあり、詩のようでもあり、誰かの夢の世界のようでもある。 人がビルから落下してくるというショッキングな出だしからは …

『関係(黒/白)』佐々木譲(著)読書感想

『関係(黒/白)』 佐々木譲(著) (『文藝』2018年秋号に掲載)   「黒」と「白」という二つの独立した短篇からなる作品です。 「黒」は、公演直前に主演女優が入院するというトラブルに陥ったある劇の舞台裏が描 …

『月も隈なきは』辻原登(著)読書感想

『月も隈なきは』 辻原登(著) (『文藝』2018年秋号に掲載)   出版社を60歳で定年退職した「奥本さん」なる男が、妻と娘と暮らす平穏な生活から、独り暮らしを夢想し、そしてそれを実現するというお話。 奥本さ …

『マチネの終わりに』平野啓一郎(著)読書感想

『マチネの終わりに』 平野啓一郎(著) (毎日新聞出版)     38歳のクラシック・ギタリストの蒔野聡史と、フランスの通信社で記者として働く小峰洋子(40歳)の、すれ違いながらも強く惹かれう男女の姿 …

『実家が怖い』小谷野敦(著)読書感想

『実家が怖い』 小谷野敦(著) (『文學界』2018年10月号に掲載)       自らの所有する大量の本を抱えきれずに、両親のいる実家に送り溜め続けていた男が、両親の他界した実家から、今度 …

『私のたしかな娘』坂上秋成(著)読書感想

『私のたしかな娘』 坂上秋成(著) (『文學界』2018年10月号に掲載)     自分の雇用主でもあり友人でもある夫婦の娘に、「エレナ」と名付け(本来は、由美子という名前がある)、少女を自分の娘だと …

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