芥川賞、群像、新潮、すばる、文藝、文學界等の新人賞受賞作の読書感想
読書感想

新潮新人賞

「楽器」滝口悠生(著)(第43回新潮新人賞受賞作)読書感想

「楽器」 滝口悠生(著) (第43回新潮新人賞受賞作) (『新潮』2011年11月号掲載) 彼ら(私とその知人たち)は毎年、五月の上旬にその街(秋津)を訪れた。 かつて、西武線の窓から不思議な池(水際にはアロエに似た植物 …

「指の骨」高橋弘希(著)(第46回新潮新人賞受賞作)読書感想

「指の骨」 高橋弘希(著) (第46回新潮新人賞受賞作) (新潮社) 南方の密林の奥地のタコ壺(戦場に掘った一人用の壕)の中で「私」は、左の肩口に受けた傷の痛みに耐えながら、近くで聞こえる榴弾の音に、自らの死を考えていた …

「工場」小山田浩子(著)(第42回新潮新人賞受賞作)読書感想

「工場」(新潮社) 小山田浩子(著) (第42回新潮新人賞受賞作)   牛山佳子は、何度も転職を繰り返した後、巨大な工場に就職が決まった。 工場は昔から土地にあって、子供の頃からよく知っているし、そこの製品も使 …

新潮新人賞研究(文学新人賞をぜひとってみたい!! その9)

明けましておめでとうございます!!(*ノωノ) 『tori研』です。 今回から、長い見出しを少し縮めてみました。内容は、純文学系の新人賞を過去作品から研究してみるという、今まで通りのスタンスです。 表題にも記したように、 …

「二人組み」鴻池留衣(著)(第48回新潮新人賞受賞作)読書感想

「二人組み」  鴻池留衣(著) (第48回新潮新人賞受賞作) (『新潮』2016年11月号掲載) 中学3年の本間(主人公)は、頭はいいが、クラスではふざけて授業の妨害ばかりするので、教師たちから煙たがられている。 特に、 …

「縫わんばならん」古川真人(著)(第48回新潮新人賞受賞作)読書感想

 「縫わんばならん」    古川真人(著) (第48回新潮新人賞受賞作) (第156回芥川賞候補作)   長崎の離島を主な舞台にした一族の物語で、三つの章から組み立てられています。 高齢に達して刻々と死に近づき …

「クロスフェーダーの曖昧な光」飯塚朝美(著)(第40回新潮新人賞受賞作)読書感想

「クロスフェーダーの曖昧な光」  飯塚朝美(著) (第40回新潮新人賞受賞作) (『新潮』2008年11月号掲載) 色覚に障害があり、赤い色が他の人と同じようには見えない世界にいる、「僕」。 かつて、僕にとっての光だった …

「アウレリャーノがやってくる」高橋文樹(著)(第39回新潮新人賞受賞作品)読書感想

「アウレリャーノがやってくる」  高橋文樹(著) (第39回新潮新人賞受賞作品) (『新潮』2007年11月号掲載)   70歳を超えた僧侶が、美貌の娘に狂い二人の子を成した後で涅槃に旅立った。それが、主人公ア …

「ポータブル・パレード」吉田直美(著)(第38回新潮新人賞受賞作)読書感想

「ポータブル・パレード」 吉田直美(著) (第38回新潮新人賞受賞作) (『新潮』2006年11月号掲載) 主人公の蔓巻いづみは、『アル・パチーノ』という、『ドン・キホーテ』もどきのディスカウントショップで店長として働い …

「肉骨茶」高尾長良(著)(第44回新潮新人賞受賞作)読書感想

肉骨茶 高尾長良(著) (第44回新潮新人賞受賞作) 新潮社     物語りは、食べることへの強迫観念を抱えた女子高校生の赤猪子が、母親とのマレーシア旅行中に、友人ゾーイ―の手助けを得て逃亡を図るとこ …

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