『早春』

沼田真佑(著)

(『群像』2019年9月号に掲載)

 

芥川賞作家の沼田真佑さんの短編小説。

主人公の木山は、どこか作家自身と重なって読めて、三人称なのに私小説を読んでいるような感覚。鬱々とした40男のリアルな日常が、ちょっと切ない。物語性はないけれど、行きずりの女とのやり取りのところだけ、何故か人間的な温度を感じた。それ以外は、やはり最後の一文の通り。