フレドリック・ブラウン短編集1 『まっ白な嘘』 フレドリック・ブラウン(著) 中村保男(訳) (創元推理文庫)

短編集というより、ショート・ショート集、と言った方がいいのかなと思います。短いストーリーの中に、かなり意表をつく複雑な展開が待ってたりして、一作品ごとにティストも変わり、読み応えは十分です。

殺人とか銀行強盗とか自殺とか、何かしら事件的なものが起こる展開なので、そのまま映画の原作になりそうなものばかりです。

個人的に好きだった作品をあげておきます。

・世界がおしまいになった夜

・叫べ、沈黙よ  

・後ろで声が  

・むきにくい林檎  

 

特に「後ろで声が」は、男女の噛み合わない愛情が切なくて、印象的でした。「叫べ、沈黙よ」も、怖くてよく出来た話だな、と思うし、読み方によってはこれも純愛ストーリーかもしれないんですよね。そう考えると、さらに怖い話。