『カウチサーフィン』

大竹昭子(著)

(『新潮』2019年4月号に掲載)

 

“カウチサーフィン”というは、海外旅行などをする人に善意で寝る場所を提供したいしたい人が載せるウェブサイトがあり、そのシステムの名称であるそうです。「カウチ(ソファー)でよかったらどうぞ」という感じの、互いの信頼関係によって成り立っているシステムなんだそうです。

本作は、ほぼ寝たきりで部屋に閉じこもりがちな高齢な父と娘、そしてそのまた娘の三人が、やや窮屈な関係性の中で暮らしていて、そこにカウチサーフィンを利用した外国からの宿泊客がやってくる、というお話を描いた短篇小説です。フランスからやってきた黒人の宿泊客のフランソワと、どこか偏屈者らしい父親との交流が微笑ましくて、なんだかホッとする読み心地でした。

非常に上質なアットホーム感(本来は、アットホームという言葉を私は嫌いなのですが)のある作品、という印象。他の作品も読んでみたくなりました。