『助けて』

藤野可織(著)

(『新潮』2019年2月号に掲載)

もうじき40歳になる小説家の女性(まな子)を主人公にした短篇小説です。

作家デビューする前に元々派遣で働いていた小さな出版社で、2週間だけの臨時アルバイトをすることになったまな子の体験を描いています。

女性の働き手の多い職場は、以前働いていた時よりも女性にとって働き甲斐のある環境になっていて、職場の変わりゆく様を退職後も時々単発の臨時アルバイトで入っていたまな子は目撃していたのですが、彼女にはまだ見えてなかったものがあり……。

労働者であり母であり妻であり女でありひとりの人間である女性たちの心の叫びが、静かに行間から立ち上ってきて、ある種の怖さもありました。