『信仰』

村田沙耶香(著)

(『文學界』2019年2月号に掲載)

 

人が、その人生をより良く快適に生きるためにする贅沢には色々ある。

ある人は仕事や夢を追い求め、ある人は高価な食器を買い、ある人は怪しげな浄水器に高額な代金を支払い、ある人は新興宗教にハマる。

小説の主人公の女性は、これら全てを一括りに「現実逃避」だという発想に至ることで、この世界のある皮肉な側面に直面していて、そこの辺りの展開や追求のあり方が、村田さんらしく不気味で面白かったです。

また、不気味であると同時に滑稽でもあるという人間の姿が上手く捉えられ、描かれていたのも村田さんらしいと感じました。