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『小島』

小山田浩子(著)

(『新潮』2019年1月号に掲載)

 

短篇小説です。

昨年広島を襲った豪雨災害の被災地のボランティア活動に参加した人物の視点から、同じくボランティアに参加した他人物たちの様子や遣り取り、被災から3ヶ月経った被災地の様子、被災者の姿、などを淡々と描いています。

淡々とではありますが、観察している人物の視点には、小山田さんらしい人間味を感じられるユーモアが含まれているので、大きな事件こそ起こらないのですが、ずっと読み続けられる吸引力があります。

自分と直接的な関係が無いのに、無償で誰かの手助けをしたい。そう考えて集まった人々が、ボランティアという1日限りの肉体労働の現場で、他者と交わり、何かを手に入れているという姿が、なんの先入観もなく無垢に、あるがままに描かれていて、そこが良いな、と思いました。

実際に小山田さんは、現地にボランティアとして行かれたのではないかと思うほど、詳細でリアルな内容にもなっていました。