『生のみ生のままで』(前編)

綿矢りさ(著)

(『すばる』2019年2月号に掲載)

 

逢衣(あい)は、高校時代の憧れの存在だった丸山烈と、社会人になった今は同棲中である。幸せの絶頂を噛み締めていた最中だったが、その夏、烈に連れられて行った湯沢市のホテルで、荘田彩夏と出会う。彩夏は、烈の子供時代の親友の中西琢磨の恋人だった。

 

女同士の恋愛を描いた小説で、かなり濃密な内容になっています。

若い世代の女性たち、特にその微妙な感情の絡み合いや関係性を描くことに精緻な腕前を持っている綿矢さんだからこそ描けている世界だろうと思います。

これまで読んだ彼女の様々な作品を思い出しつつ、読みました。まだ前編しか読み終えてないので、後編を読み終え次第、もう少し詳細な読書感想を書こうかと思っています。

今の時点で少しだけ書くと、物語が、予想されていた通りの不穏な方向へ進んでいくのが、綿矢さんがそうさせているのではなくて、作中の登場人物たちが勝手に動いてそうなっていくという感じなのが良かったかな、と思います。

前編は、ドラマでいうと、ちょうどいいところで次回予告編が流れてきそうな様相の場面で終わりましたよ。