2018年本屋大賞のノミネート作品10作品の読書感想を、まとめてみました。

すべて個人的に書いた読書感想ですが、ご興味のある方はお読みください。

 

 

AX アックス
『AX(アックス)』 

伊坂幸太郎(著)

KADOKAWA

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 ”凄腕の殺し屋”という主人公の設定が、小説というよりコミック漫画みたいで面白いです。

どんなに凄腕の殺し屋でも、家庭を持って奥さんの尻に敷かれてしまうと、途端に平凡な男になるんだな、というところに心打たれました。

女が強くて怖いんではなくて、愛が偉大なんだと思わせるところとか。

ちょっぴりほろ苦い哀愁があって、ハードボイルドな感じでした。

 

 

 

 かがみの孤城

『かがみの孤城』

辻村深月(著)

ポプラ社

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 童話とSFと現実(リアル)がミックスされた、不思議な世界。

それぞれの問題から、心に傷を負った不登校の少年少女たちの、友情と成長の物語。

物語の進行とともに、バラバラだった小さなピースが組み合わさってきて、あっと驚く感動のラストに集結されていく感じは、凄い才能だと感じました。

 

 

 

 キラキラ共和国

『キラキラ共和国』

小川糸(著)

幻冬舎

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 2017年の本屋大賞で4位になり、NHKでドラマ化もされた『ツバキ文具店』の、続編です。

さらなる続編も期待できるのかな?

 

 

 

 崩れる脳を抱きしめて

『崩れる脳を抱きしめて』

知念実希人(著)

実業之日本社

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医師の資格を持つ作者が描く、医療現場を舞台にした、恋愛ミステリー小説。

医療現場の細かい描写が自然で、難しい医療用語もほとんど出てこないので、軽く読めます。

ラストを読んでも、なんだか複雑な気持ちが残りました。続編もあるのでしょうか?

 

 

 

 屍人荘の殺人

『屍人荘の殺人』

今村昌弘(著)

東京創元社

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 こんなに奇想天外な展開で、いいんだろうか?!

という驚きが何よりも先にきてしまい、作者の発想の自由奔放さ加減が素敵。

でも、本格ミステリーの押さえ所はしっかり押さえていて、トリックを考える楽しみも、ちゃんとあります。

 

 

 

 騙し絵の牙

『騙し絵の牙』

塩田武士(著)

KADOKAWA

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 出版界の裏事情を描いた、リアル感のあるミステリー小説。

確かに、作中の大泉洋には騙されました。

騙された挙句に、エピローグでジンとくる、というやつです。

 

 

たゆたえども沈まず

『たゆたえども沈まず』 

原田マハ(著)

幻冬舎

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 不遇の画家フィンセント・ファン・ゴッホと、日本人画商たちとの交流が描かれています。フィクションで書かれている部分もありますが、実在した人物なども出てきます。

 

 

 

 盤上の向日葵

『盤上の向日葵』

柚月裕子(著)

中央公論新社

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 棋界を舞台にした、本格的なミステリー小説です。

奇妙な遺留品と共に発見された、白骨遺体。

その謎を追いかける刑事らと、不遇の人生を生きてきた将棋の天才。

将棋に興味がなくても、この作品は楽しめると思いますし、これを読んだら将棋が好きになるかもしれません。

 

 

 

 百貨の魔法

『百貨の魔法』

村山早紀(著)

ポプラ社

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 2017年度の本屋大賞にノミネートされた『桜風堂ものがたり』の姉妹作ともいえる作品。

今度は、不思議な猫が出没する(?!)百貨店が舞台です。

 

 

 

 星の子

『星の子』

今村夏子(著)

朝日新聞出版

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 本屋大賞の候補作に、この作品が入っていて、とても良かったです。

受賞こそ逃しましたが、本作は第157回芥川賞の候補作品でした。

これは、ある少女とその家族の物語です。

子供の視点から描かれたそれは、「愛」なのか、「虐待」なのか……。

行間から何かを問われているという気がしました。 

 

(※作品名は五十音順です)