すばる2017年12月号

『怒りの漂白剤』

綿矢りさ(著)

(『すばる』2017年12月号に掲載)

 

 

 

 

『すばる』に掲載された、綿矢りささんの短編です。

『すばる』の同じ月号で発表されたふくだももこさんの『ブルーハーツを聴いた夜、君とキスしてさようなら』が、異彩を放っている一方で、堅実で大人しい作品であるという印象でした。

どこの何者かも特定されていない語りである主人公の内面世界の、特に「怒り」の感情について、深く掘り下げた内容で、淡々と怒りについて分析し、論述しています。

作家として、新しい境地を探っている段階にあるのかな、と余計な詮索をしてしまいました。