未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の

第67回野間文芸賞受賞作品

『未闘病記』

笙野頼子(著)

(講談社)

 

 

 

1981年に『極楽』第24回群像新人文学賞を受賞してデビューされた笙野頼子さんは、その後、『二百回忌』第7回三島由紀夫賞『タイムスリップ・コンビナート』第111回芥川賞を受賞し、「新人賞三冠王」などとも呼ばれています。

作家デビューしてから10年間ほどは不遇の時代が続いたようで、収入が乏しく引きこもりのような状態で生活していた頃の体験を書かれた『なにもしてない』は、野間文芸新人賞を受賞しました。

書くことと人生は、彼女にとって、切っても切り離せないものであるのに違いありません。

本作『未闘病記』は、膠原病と知らずに何十年も生きてきて、ずっと異常だと思いながらも付き合ってきた、様々な体の不調の原因が、「混合性結合組織病」なる厄介な病気だったと知らされた作者の実体験から書かれたもので、飼い猫との思い出なども絡めて綴られています。

彼女の作品は、私小説の一般的概念など軽く飛び越えていますが、そうした作品群の中でも本作は、ごく基本的なことに立ち返って書かれているのではないかという気がします。

それだけに、彼女の抱えた孤独や、孤独を笑い飛ばそうとする健気さが、ストレートに伝わってきて、これまで読んできたどの笙野頼子作品より、心を揺すぶられました。

彼女の作品をまだ一度も読んだことがないという方がいたら、この作品からまず手に取ってみるのも、ありではないでしょうか?